９６歳逝く

私の家では商売をしていたものですから、
父も母も仕事で忙しくしておりました。

小学校へ入るまでは、他所の家に預けられてまして、
我が家へは夜帰るという生活だったようです。
家に帰っても祖母と一緒にいることが多かったようです。

預けられていた家は「田中さんち」。
母より年上の田中さんのお母さんと年上の三姉妹。
お父さんは早くに亡くなっていて、その頃は女４人の
母子家庭と言う状況だったようです。

そんな家庭で幼い男の子が一人。
可愛がってもらっていたようです。

田中さんのお母さんは、仕立てものや手芸をしていたらしく、
竹を割ったような気質で、面白い発想や話で楽しく暮らして
年上三姉妹とも賑やかに楽しく過ごさせていただきました。

一番年上のY姉さんは、それこそ大人な雰囲気で親分肌。
二番目のY姉さんは、活発で勝気な元気お姉さん。
三番目のA姉さんは、大人しく沈着冷静な美人姉さん。
そんな家庭に、いたずら盛りの坊主が一人預けられ、
時にはスカートをはかせられたり、葡萄酒を舐めてみたりと
お互いに楽しんでいたような生活でした。

社会人ともなると、なかなか親しく交流する機会も少なくなり
お会いしてお話しする機会も減ってしまいました。
妻を連れて、母と私と三人で伺ったこともありましたが、
そういう機会は少なくなってしまいました。

昨日の新潟日報の「おくやみ欄」に
田中さんのお母さんの訃報が載っていました。
享年９６歳とのこと。
遅ればせながら、葬儀場にご挨拶に伺いました。
遺影の写真も撮らせていただきました。

来週、初七日が過ぎて落ち着いてから、
母と共に生前の御礼に伺うことにしました。

第二の母とも言える田中さんのお母さん。
ご冥福を祈ります。
ありがとうございました。